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伊豆伊東に見る幸福論 vol .6



「耳には聞こえない高周波」である40kHz以上の音が、私たちの安らぎや寛ぎによい影響を与えることが知られています。『ハイパーソニック・サウンド』と呼ばれ、多様な動植物が生息している豊かな自然の中で数多く確認されています。この音の効果は、私たちの脳の最も深い領域である「基幹脳」を活性化して、心身の健康を増進し、自律神経系の免疫力を向上させ、ストレスを軽減、快適性を増大し、認知機能を高めることが科学的な調査で確認されています。そして、音がより美しく快適に聴こえるようになり、マイナスの生理的心理的影響は検出されないという『幸福』の秘訣に迫るものなのです。

目には見えない、耳にも聞こえないけれど、そこにある音の存在。それは、四季折々、多様な花や草木の植生にさまざまな鳥や昆虫、小動物がいきづく『伊豆半島世界ジオパーク』に満ちています。そして、その環境の豊かさや生物多様性を守り続けることが、私たちの心身の健康の豊かさや幸福を守り続けることにも繋がっているのだと気づくことができます。

東京からの友人を城ヶ崎海岸に案内した時のこと、ウグイスの谷渡りを耳にして「あれ?これ録音?すごいリアル!」と言い、自然の中に身を置くことで、日頃、都市の中では機能していない感度にスイッチが入ったようでした。伊東市鳥であるイソヒヨドリの歌声にも耳を澄まし目を輝かせ、蛇口からそのまま水が飲めることに「浄化フィルターはいらないの?」と驚き、天城からの水道水に「美味しい!」と感動。大室山の山頂で深々と呼吸をして澄み渡る空気を堪能し、「ああ、昔、子どもの頃の、のびのびしていたことが思い出される。失ってはいけない自然の懐かしさや優しさ、この恵みを次の世代に届けなきゃ」と、感謝と幸福の想いいっぱいに、私たちの遺伝子の根幹の望憶が呼び覚まされたのでした。

伊豆高原には、ノスタルジックなハイパー・ソニックの音色が心に共鳴し、すっかり忘却していた子どもの頃の懐かしい思い出が次々と内側から湧き出てくるオルゴールのミュージアムがあります。となりのトトロが住んでいるまちを再現したテディベアのミュージアムを訪ねれば、伊豆伊東のまちなかには、となりにトトロがいる場所をたくさん発見できることに気づくはずです。子ども時代にいっぱい体験して、味わって、夢を見て、大人になってから振り返り、心から懐かしむ『伊豆伊東の幸福』の秘密があります。


伊東市八幡野在住 

移住促進官民共同プロジェクトチーム 関係人口創出リーダー

薄羽 美江

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